2017年06月03日

待機児童への対応

待機児童への対応

気づけば6月に入っています。磐田市議会は6月12日から「6月定例会」のスタートです。いつも言っていますが、議会中より、議会がないときにどう学び、その学びをどう提言したり、議会に反映していくかが、大事だと思っています。


今週も、市内の施設を回ったり、諸先輩方と意見交換をさせていただいたり、慌ただしい学びの日々を送っていました。


そんな中、とある雑誌で「待機児童園」なるものを静岡市が平成22年より運営しているという情報を見て、さっそくお話を伺いに行ってきました。

ちなみに「待機児童」とはなんぞやということに関しては、以前自分のだしている「市政レポート」、内容を報告していますので、見にくいですがご覧ください。http://www.mng.at-ml.jp/flash/chirashi/00071750/263/4812/back_base.jpg

磐田市は「待機児童ゼロ」という情報が一部聞こえてきますが、4月1日時点の状況が待機児童ゼロということです。年度途中になると6月入園調整したあとでも、国基準の「待機児童」とカウントするかは別にしても、これだけの保育園に入れたい子どもを持つ親が待っています。最近も「待機児童ゼロといっていたのに、保育園に入れなかったじゃないの!!」とのご意見をいただきましたが。正確な情報を伝えなくちゃいけないと思って、今日は少し長めのブログになっていますのでご覧ください。

http://www.city.iwata.shizuoka.jp/shimin/shussan/hoiku/hoi004.php

待機児童への対応

待機児童への対応



写真はわかりづらいですが、磐田市の6月の入園調整後の数字を見ると、

0歳 27人
1歳 55人
2歳 32人
3歳 18人
4歳 11人
5歳  4人

となっています。トータルで147人、保育園に入れない子どもたちがいます。でもよくみてもらうと、年齢ごとにバラつきがあり、ここが対応の難しさを物語っています。

保育園に一番入れたい、または入れなくてはいけないタイミングはといえば、いうまでもお母さんの育休あけのタイミングです。会社によっては1年半だったり、2年とれるところもありますが、多くの母親が1年という節目のタイミングで保育園へ預けてということを考えます。


ですから、「0歳~2歳まで」が自然と保育の量が足らなくなってきます。

まして「保育士の配置基準」が年齢で違います。
いま言われている「保育士不足」にも通じるところです。

0歳    おおむね3人に1人
1,2歳  おおむね6人に1人
3歳    おおむね20人に1人
4,5歳  おおむね30人に1人

これを磐田の現状の保育を待っている子どもに置き換えると、

0歳 27人  → 必要保育士 9人
1歳 55人  → 必要保育士10人
2歳 32人  → 必要保育士 7人
3歳 18人  → 必要保育士 1人
4歳 11人  → 必要保育士 1人
5歳  4人  → 必要保育士 1人

となります。これは単純計算なので、園の状態によってももちろん変わります。
規制緩和でこの0歳3人を一人の保育士で見るのを、0歳なんだから4人でも5人でも見れるんじゃないの?と発言した政治家が昔いたとかいないとか、聞いたことがありますが、一度でも子育てに関わったことがある方なら、自分の子供以外に2人、11時間預かれということですら、なかなか大変だろうなぁと想像できると思います。

ましてや、三つ子の魂100までもと昔から言われるように、この0歳~3歳までの赤ちゃんへの愛着形成が、その後の人生に大きくかかわると言われていますので、安易な規制緩和や量の拡大は、僕は全く賛成していません。むしろできれば、もっともっと保育士と赤ちゃんが向き合える充実した配置をしてあげたいくらいです。地域によっては、1歳は4対1の基準でやっているところもあるようです。


だらだら書いてしまいましたが、ともかく課題は0歳~2歳までの保育の量と質をしっかりと確保してあげることです。そのために「保育士不足」へのソフト面での対応や、ハード面である「園整備」を行政だけでなく、民間も参入しやすいようにしていきながら、保育の量の確保と、質を確保を同時にしていく取組みが求められています。

「2年後に園ができますから!」という答えでは、一番必要な「0歳~2歳」を過ぎてしまい、3歳になったその子は保育園に入れるか、幼稚園の延長保育を使えますから、それでは意味がありません。だから、この待機児童問題というのは、いままで大きな政治への声にならずに、取り上げられなかったんではないかと思います。子どもたち、どんどん成長していき、そのたびにお母さんたち、いろいろな悩みがでますから、「昔困った問題」を真剣に解決しようと思うほど、暇じゃないと思います。だからこそ、この子育て世代の声をしっかり届ける政治の仕組みが必要だと思います。


静岡市の待機児童園は、非常に参考になりました。公立の認可外保育園の発想だったという考え方は、目からウロコでしたし、今は「緊急一時預かり」と「小規模保育所」を制度としては使っているようです。

ともかく、子ども子育て新制度もここ数年で大きく変わり、非常に複雑ですし、補助金が国や県からでるかどうかも、市が踏み切れるかどうかの分かれ目な中で、静岡市の取り組みは参考になりました。

仕事を辞めなくちゃいけない!
勤務先から復帰してほしいと言われても復帰できない!

というお母さんの声は、本当に心が痛みます。一刻も早く制度を整えなくてはいけませんので、市の関連部署としっかりと調整していきます。

ちなみに、磐田市の職員さんたちも、当たり前だと言われればそれで片付けられるかもしれませんが、ひとりひとりのおかあさんたちと向き合い、残業も遅くまでしながら、一生懸命対応してくれています。
待機児童対策としては、保育の量を平成24年から800人増やしてきました。それでも追い付かないのが現状です。一生懸命やるのは当たり前ですから、とにかく早く制度を整えてまいります。


もう一つの視察は、「まある~静岡市こどもクリエイティブタウン」。こちらは産業振興系統で、こどもたちが駅前に集まる仕組みとして考えられたもののようでした。これも非常に参考になりました。

他市は刺激になる。それぞれのいいところが、うちの街でどう活かせるか、引き続きあちらこちら見に行きながら政策提言につなげてまいります。

清水区は富士山も壮大で海も活かしていて、なおかつサッカーの街。磐田市と似ているところが多いです。非常に多くの刺激をありがとうございました。

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