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2014年01月07日

沿線火災によるJR東海の対応と評価


昼に記事を見た時に書こうと思っていましたが、ついつい遅くなってしまいました。
新年早々の有楽町駅付近での沿線火災で、新幹線品川駅が機能しなかったことが書かれています。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6102914

「品川駅は災害時の副拠点として期待されていた」とありますが、「期待していた」気持ちはわかりますが、どんな災害や事故でもリスク対応が完全にできる施設はできるはずがありません。できたとして、それがどれだけコスト高につながるか・・・。

特に、最後のコメント「JR東海は品川駅の拠点機能を重視し、災害に備えた想定をしておくべきだった」は、いくらなんでも無理があります。
どのくらいのことをやればいいのか、計算してから、コメント発言してるのか疑問です。

僕は元JR東海の社員です。
そしてなんといっても、最初の職場は「建設工事部品川駅土木担当課」でした。
まさに新幹線品川駅の建設工事の最後1年半にかかわらせていただき、大変思い入れの深い駅です。
今でも品川駅で新幹線を降りれば、一歩目に踏むゴムのような踏板、そしてホーム柵、ホームから落ちた時用の防護などは、自分が発注したものですので、思い出がよみがえってきます。
昨年末の紅白歌合戦でTOKIOが「アンビシャスジャパン」を歌っていましたが、今のNHK会長は元JR東海の社長。今年で退任なので、品川駅が開業したときに作った、第二の鉄道唱歌と言われるこの曲の披露に、なにか意味があるかなぁとも変な勘繰りを入れるのも、元の仕事柄なんだと思います。

でもなにより今回のことで、鉄道マンとして、この「機能せず」という記事に大変な憤りを感じているのは、現職の方々じゃないかと思います。
原因を作ったのは、JR東海ではないですから。

新幹線のリスク管理をJR東海がどれだけ徹底して行っているかは、現職が一番よくわかっていますし、そして今回の損害はJR東海が一番被っています。
東京⇔新大阪がJR東海の新幹線部分にあたるわけですが、もちろんドル箱と言われている中で、飛行機との競争にどうやって打ち勝つかが、品川駅建設に与えられた命題でした。

1時間に12本しか出せなかった東海道新幹線を、折り返し機能を設けることにより、15本まで増発できるようにしたのが新幹線品川駅の最大の役割です。
決して、こういうときのリスク管理のために作られた駅ではありません。
乗務員の待機する場所や、清掃員、折り返せる本数には限りがあります。

ですから今回、想定外のことで本当にがっくりしているのは、現職の方々だと推察します。
もちろんこれだけの損害を与えた今回の火災を受け、更なる厳しいリスク管理が敷かれるだろうし、教訓を活かしてくれることだとは思います。
でも、とにかく今回のことに関して言えば、JR東海はできる限りの対応をした。
これだけは言えると思いますし、一番の書き入れ時に損害をだしたのもJR東海だということは理解してくださるとありがたいですね。

そしてこれからますます大変になると予測されるのは、新幹線の沿線地域の自治体の方々。

担当になった方ならわかるはずですが、リスク管理が厳しくて、新幹線の近接工事というのは大変な時間とお金がかかります。
「新幹線を止めることになったらどうするんですか、だれが責任をとるんですか?」と言われてしまえば、いうこと聞くしかありませんから。
現に、近接の工事現場で使っていたシートが架線にひっかかって新幹線を止めたなんてニュースは、何度か耳にしたことがあります。
今回のようなことがあれば、益々厳しくなるのは目に見えていますから、そのお金を払うのは自治体なので、これから厳しいことが予測されますね。

大変思い入れの深いニュースだったので、長めの解説をしてしまいました。

ちなみに僕がいたときに、品川駅の地下にリニアの駅を作るなんて話は、一度も耳にしたこともありませんので、あしからず。。。

そして懐かしい写真。JR時代は、これでも毎日ヘルメットかぶって、現場にいたんですよ~
思い出の写真です。


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